WRANGLER SILENTARMOR

名は体を表す！

　直訳すると、「静かな鎧（よろい）」という名前を持つサイレントアーマー。グッドイヤーのSUV向けタイヤ「WRANGLER」シリーズの中でも最も幅広いフィールドに対応するオールテレーンタイヤ（以下ATタイヤ）である。

 

　WRANGLERにはAT/Sも存在するが、サイレントアーマーはその上級モデルという位置づけ。近年、HTタイヤが登場したことによりオフロード寄りの性格にシフトしつつあるATタイヤだが、その中でも特にラギッドなトレッドデザインとオフ走行を十分考慮した性格を持つ個性的なモデルとなっている。

 

　シリカを配合し、強度を高めたコンパウンド、高張力スチールベルトおよびアラミド混紡オーバーレイヤー＆エッジレイヤー採用で剛性と不整地での耐久性を高めたトレッド、ホイールをキズから守るリム・プロテクション・ガードなど、その名に違わぬ強靱さを備えているのがサイレントアーマーの特色だ。

 

　オフロードではマルチな性格を発揮するが、中でも特徴的なのはダート路面でのコントロール性の良さ。計算されたブロック配置により全方向にバランスよくトラクションが掛かかるため、低ミュー路での姿勢制御がたやすい。タフな作りと合わせ、林道ツアラーなどにとっては実に嬉しい特性だ。

 

　もちろんオフロードだけでなく、オンロードでの快適性にも秀でているのが「サイレント」たる由縁。ラギッドなトレッドパターンを見ると賑やかな走行ノイズが想像されるが、ロードノイズを抑制するマルチピッチ・ブロックの採用などにより、ATタイヤとしては優秀な静粛性を実現している。高速走行時の直進性、コーナリング時の挙動もクセがなく、あらゆるステージで扱いやすい特性となっているのがサイレントアーマーの長所だ。

 

　ところで、このタイヤが持つ、もうひとつの特色は多くのサイズにおいてアウトラインホワイトレターを採用していること。ゴツいトレッドパターンと合わせ、いかにもSUV用タイヤらしい意匠に心ときめくオフローダーは少なくないだろう。日常の快適性を犠牲にすることなく遊びのフィールドを格段に広げ、さらに愛車に四駆テイストをアドオンしてくれるATタイヤだ。

トレッド内部には鉄の5倍の強度を持つアラミド混紡オーバーレイヤーを採用。さらにその下部には高張力スチールベルトを組み込み、骨格をがっちり固めている。高剛性化によりハンドリング性と不整地での耐久力を向上させている。

ひとつひとつのトレッドブロックは大きいが、形状が複雑で細かなサイプが入っていることが分かる。トレッドの硬さを調整し、偏摩耗やパターンノイズを低減するためだ。もちろん、オフロードでのトラクションを稼ぐ目的もある。

V字型のショルダーデザインもアグレッシブだ。ショルダー部分にも安定した接地形状を確保するためアラミド混紡レイヤーが採用されている。

オフロードでホイールのリムを守ってくれるリム・プロテクション・ガードも採用。

砂利のヒルクライムでも強いトラクションを発揮。オールテレーンタイヤながら、オフローディング能力も高い。

全方向に対しバランスの良いグリップ特性は、ダート走行でのコントロール性に顕著に表れる。アクセル操作でのスライドコントロールも容易だ。

オフロード寄りの性格に加え、オンロードでの快適性もこのタイヤの特長。一般的な純正タイヤとほとんど変わらない静粛性を実現している。