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JB23専用最新コイルスプリング開発ヒストリー~第四話

2017.05.08
OFFROAD SERVICE TANIGUCHI(オフロードサービスタニグチ)

JB23専用最新コイルスプリング開発ヒストリー~第四話


“LOB”コイルの初期段階のフロント右側に関する試作検討結果がコチラ。ばね定数に関係するオーソドックスな数値だけではなく、線間密着に対する余裕やたわみ具合、最大負荷時の荷重や応力、そして縮んだ際の形状までが具体的に表される。これにより、試作回数や期間を大幅に減らすことに成功した。

試作の少なさと短期間開発の秘密

コンペティションリーフ無双懸架の場合で約1年4ヶ月。ソルブスーパーロングショックの場合で約1年。ソルブスポーツコイルの場合で約2年。 アジャストメント8ショックの場合で約1年。そして、JB43用スーパーソルブ 3インチアップコイルの場合で約1年8ヶ月…。

前述した年月は、オフロードサービスタニグチがそれぞれの商品の最終試作品が完成するまでに掛かった期間である。

この開発期間を見るだけでも、ひとつの商品を生み出すために非常に長い時間を掛けていることが伺える。

サスペンション関連のパーツ開発で、最も時間を掛ける部分が『使用時のフィーリングをどう仕上げるか?』の吟味だという。企画開発部だけでなくサービス部やフロント部門、経理に至るまでスタッフ総出で試乗を繰り返し、納得がいくまで試作を作るという煮詰め方をしているというから、 本気の度合いがよく分かる。



さて、現在進行中の『ソルブ”LOB”コイルスプリング』に話を戻すが、 2012年4月に最初の打ち合わせを行ない、最終試作が完成するまでに要した期間は約5ヶ月。今までのサスペンションの開発期間と比べると極端に短いので、過去の製品と比較し手を抜いているような印象を受けなくもないが、実はこの開発期間にも様々なノウハウが凝縮されていたのだ。

「”LOB”コイルは、スタンダードなジムニー用リフトアップサスペンションという仕上がりを狙っています。

その理由から、弊社ラインアップの中でも特にマルチな使い方に対して評判がいい、ソルブ3インチアップコイルスプリングのばね定数を継承しました。それゆえ、その点では他のタニグチ 製品よりも開発期間を短縮できたという見方もできますが、実はそれ以上に、中央発條の持つ”CAE技術”をフル活用して設計をしてもらったところが、開発期間の短縮に大きく効果を発揮しましたね」
とは、企画開発広報の宇夫方伸一氏の弁である。

ちなみに”CAE技術” とは、従来であれば試作と試乗を繰り返すことによって造り込んでいたサ スペンションの仕様を、専用の設計ソフトを使いシミュレーションテストを行なうことで、大幅な開発期間の短縮と試作費用の低減が計れるという、中央発條が誇る最新のサスペンション設計の方法だ。



この設計技術より、ばね定数を左右する巻き数や線径といった基本部分だけに限らず、仕上がり車高の前後バランス、左右の傾き具合、足回りやフレームなどへの干渉の有無など、実車へ装着しなければ分からなかったテストをコンピュータに任せたことで、フロントは1度のみ、リアは2度の試作で完成形にたどり着いたというのだ。

ジムニーに関するノウハウでも、特にサスペンションに関しては国内屈指のレベルと言えるオフロードサービスタニグチと、サスペンション用スプリングの設計や製造で最新技術を有する中央発條の”化学変化”により生まれる『ソルブ”LOB”コイル』。ソルブシリーズのコイルスプリングの集 大成というだけでなく、ジムニー用リフトアップコイルスプリングの決定版といっても過言ではないだろう。

※この記事は、4x4magazineアプリにて、広告掲載。同社に許可を得て、当コーナーにて掲載をしております。