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JB23専用最新コイルスプリング開発ヒストリー~第三話

2017.05.08
OFFROAD SERVICE TANIGUCHI(オフロードサービスタニグチ)

JB23専用最新コイルスプリング開発ヒストリー~第三話

中央発篠製のコイルスプリングの場合、大手自動車メーカーが使用している”黒”のほか、”白色”でも同等の防錆性能は確保出来るという。ソルブ”LOB”コイルは、その白色を採用することで、大手自動車メーカーと同等の防錆性を手に入れた。

大手自動車メーカースペック その1

2012 年9月現在 、日本には13 社の大手自動車メーカーが存在するが 、そのすべてのメーカーが独自の品質管理の基準を持ち、世界でも有数のクオリティを保っていることは周知の事実である。



そんな国内大手自動車メーカーが、サスペンション用スプリングに求める性能のひとつに防錆性が挙げられる。四方を海に囲まれている日本では、他国以上に塩害による被害が想定されるほか、雪深い地域で多用される融雪剤の影響もあるため、防錆に対しては非常に厳しい品質基準を設けているのである。 



日本の様々な工業製品についての規格を定めた”日本工業規格(JIS)”はご存じだろう。実はこの項目の中に『塩水噴霧試験方法( JIS Z 2371 )』があり、 試験を行ないたい製品(試験片)に対し、規定で定められた濃度の塩水を一定時間噴霧し続け、その後の錆や腐食などの度合いを調べるというものがある。



この試験、間違いなく理にかなった十分に厳しい内容なのだが、実は大手自動車メーカーでは自社基準として、塩水の濃さをさらに厳しい条件にしていたり噴霧時間を長くすることで、より過酷な条件下での防錆性を確保していたのだ。

この防錆性を確保するために、メーカーが具体的に何をしているか? だが、 実はコイルに塗るための塗料を徹底的に鍛え上げていたのである。



さて、そのことを知り尽くしている中央発條からの助言があり、ソルブ”LOB” コイルを開発するにあたり、千思万考した部分のひとつがコイル色だったと言う。



「自動車メーカーの純正コイルは黒いものがほとんどですが、あの黒い塗料の 防錆性ってスゴイと思いませんか? 反対に、カラフルなコイル色に仕上げた場合、どうしても純正の黒の防錆性にはならないそうなんですね。そのあたりを中央発條に確認したところ『この色なら自動車メーカーが使用している黒と同等の防錆性能です』という回答が得られたので、提示された色の中からソルブ “LOB”コイルに一番相応しい白色で仕上げることにしました。

実は、自動車メーカーと同じ黒でもいいのではという意見もありましたが、それはさすがに地味すぎるので却下となりました(笑)」
とは、オフロードサービスタニグチのフロント業務全般の責任者を勤める原昌徳氏の弁だ。

一般的に、アフターマーケット品のサスペンション用コイル スプリングの色は、華やかに見せるための要素であることが多い。しかしソルブ “LOB”コイルの白色は、華やかさを捨ててまで、愛用するユーザーの立場に立って防錆性を選択した結果というあたりが、オフロードサービスタニグチらしい選択と思ったのは筆者だけではないだろう。


※この記事は、4x4magazineアプリにて、広告掲載。同社に許可を得て、当コーナーにて掲載をしております。