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ENASAVE RV504(エナセーブRV504)

2017.04.29
DUNLOP(ダンロップ)タイヤメーカー

ダンロップ最新技術が搭載されたミニバン専用タイヤ


ダンロップのタイヤの中でも、低燃費性能を強く掲げているエナセーブが登場したのは’06年のこと。
’14年には長持ちする、つまりロングライフ性能を加えた2世代目へとスイッチさせ、エナセーブ誕生から10年を迎えた昨年末、ミニバン専用となるエナセーブRV504を発表。
このタイヤ、エナセーブとして低燃費でロングライフを実現しながら、さらにはミニバンの乗り味に快適を与えてくれるという。
果たして、どこまでミニバンの乗り味を変えられるのか、その実力をチェックすることにした。

(文章:吉田直志/写真:佐久間 清人)
http://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/passenger/rv504/

 

低燃費性能を謳うタイヤを多く見かけるようになったが、その中にあって、エナセーブシリーズはロングライフ性能も手に入れているタイヤだ。そして、今回、紹介するエナセーブRV504は、さらにミニバン専用に設計されたこと、つまり、ミニバンの快適性をさらに高めてくれることをトピックとしている。
 
その特徴として、まずは、低燃費性能とウェット性能をハイバランスさせていることが挙げられる。新技術である4D NANO DESIGNによって開発された新シリカ用変性ポリマーによって、これまで同様の高いウェット性能をキープしながらも、転がり抵抗を13%低減させており、ラベリング制度においてAA-b(一部サイズを除く)を獲得しているという。
 
もちろん、ロングライフ化もトピックだ。トレッド面のアウト側のブロック剛性を高めることで、 耐摩耗性を8%アップ、耐偏摩耗性を33%アップさせており、長くはけるという満足感をオーナーに提供してくれている。
 
また、ミニバンユーザーの不満として聞かれる操縦性や直進安定性、そして、ミニバンには欠かすことのできない快適な乗り心地もブラッシュアップしてくれるという。トレッド部の不要な動きを抑える高剛性構造と新パターンの採用は快適性、乗り味をバランス。特にレーンチェンジにおける操縦性、安定性の指標を8%もアップさせるなど、ミニバンオーナーの期待に応えてくれる性能を手に入れている。

 

愛車をステージアップさせてくれる安心の走り
というように、このエナセーブRV504は、ミニバンオーナーがタイヤに期待する性能の多くを手に入れていることを謳っているが、試乗してみると、そのポテンシャルは期待以上だった。
 
まず、走り始めた瞬間から、タイヤの存在を強く感じさせてくれた。それは、タイヤの転がり抵抗が抑えられている、つまりは滑らかにタイヤが転がりゆく、そんなフィーリングにあふれたもの。これは、走ってしばらくしてから感じるのではなく、まさに発進直後から感じ取れるフィーリングであり、それは質感の高いモデルに乗っているかのようでもある。まさに愛車の乗り味が大きく変わったと感じ取ることができるものだ。
 
そして、その質感の高さは、走り全体に表現されていることに気づく。直進安定性においてはクルマが真っすぐ走っていこうとするフィーリングに感心した。そもそも、ステアリング操作をしなければクルマは真っすぐ走るものだが、その直進性がさらに高められているといった印象があり、それはドライバーはもちろん、乗員に安心感に基づく快適性を与えてくれている。また、タイヤからのインフォメーションがとても分かりやすく、信号のある交差点を曲がるような低速域であっても、その操縦性から素直さと同時にやはり安心感を覚えた。
 
タイヤにしっかり感が与えられると、つまりトレッドやサイドウォールなどに高剛性を謳う設計が組み込まれると、乗り心地が犠牲になってしまうのではないか、と思われるかもしれないが、エナセーブRV504では、快適性もしっかりと作り込んでいる。このしっかり感を実現するために必要なのは、余計な動きを抑えること。結論として、剛性感を高めることと同意となるが、イメージとしてはガチガチに固めていくのではなく、余計な動きを除いていくといったアプローチを想像してもらうと、エナセーブRV504のフィーリングをより理解しやすくなるかもしれない。
 
乗り心地はもちろんいい。そもそも、ミニバンの乗り味は、サスペンションのストローク感を活かしたゆったりとしたフィーリングを特徴としているが、エナセーブRV504はその動きに細やかさを与えており、じんわりとした動きとして乗員に伝えてくれる。また、路面からの大きな入力をしっかりとタイヤで受け止めて、その角を取り去ってくれており、不快な印象を上手く消し去ってくれていることもポイント。そして、それは乗り心地がいいという表現を超えて、快適性を上手く仕立てていると言いたくなるほどだ。

 

高速走行で魅せた直進安定性能
高速走行でも、市街地で感じた好印象ぶりは変わることはなかった。直進安定性が高いという印象は、速度を上げていくにつれてさら強められていったし、レーンチェンジにおいてもハンドリングに素直さが与えられている分、ドライバーや乗員に不快感を与えることなくスーッとこなしてしまうことに、オドロキを覚えた。乗り心地ももちろん市街地同様で、ミニバン独特のゆったりとした動きに質感が与えられており、快適な乗り味を提供してくれていた。
 
ミニバンのコーナリングはロールが大きくて不安定と思われている人がいるかもしれないが、そもそも、重心高のあるモデルゆえにある程度のロール量は必要なもの。肝心なのは、そのロール時のフィーリングに不安定、つまり不要な動きをするか否かだ。という表現をすると、お分かりの通り、不要な動きを見せないエナセーブRV504は、市街地はもちろんのこと高速走行におけるコーナリングでも、その挙動に終始不安定感を見せない。ステアリングを切り足したところから素直さを感じさせ、 そのままに自然にロールへと移行。コーナーの奥深くでは姿勢を安定させたままにサスペンションだけが動いて路面をトレースし、そして、コーナーを抜けるにつれて自然に姿勢を戻していく。この一連の動きが実にスムーズであり、不快感、不安感などは見当たらない。
 
これだけの性能を手にしていながら、ロングライフ、低燃費も誇るというのだから、オドロキとしかいいようがない。そう、まさにミニバンライフを快適にしてくれるタイヤだ。今回は天候の悪化から、帰路にウェットでの走行を体験することができたが、ドライ路面と変わらぬ安心感にあふれていたことを付け加えておきたい。

 

ロールフィーリングに穏やかさが生まれるため、ドライバーはロールを意識することがない。優れた操縦性も手伝って、コントロールしやすい、ドライブが快適になる、そんな印象を受ける。

 

発進直後から感じた滑らかにタイヤが転がっていくというフィーリングは、高速道路でさらに強く感じるようになる。レーンチェンにおける不安定感もかなり抑え込まれており、ドライバー、乗員は安心感を覚える。

 

路面からの入力を、タイヤのトレッド面でしっかりと受け取り、サイドウォールも手伝って、いなしてくれる。それによってサスペンションも余計な動きを見せなくなり、乗員は快適性を感じとることができる。

 

トレッドデザインのポイントは2つ。まずは、アウト側ショルダーを大きく、ブロックそのものも大型として、パターン剛性を最適化しつつ接地圧を均一としたこと。これによって耐摩耗性能を8%、偏耐摩耗性能33%アップというロングライフ性能を獲得している。
ふたつ目は、センターブロックを太く、かつ大きくしたことにより、剛性を高めて変形を抑えている。また、ブレーカーコード量を20% アップし、フルバンドを採用したという高剛性構造も手伝って、トレッド面での不要な動きを抑制していることもトピックとなっている。

 

ダンロップの新材料開発技術である4D NANO DESIGNによって開発された新シリカ用変性ポリマーを採用。スチレンを分散した配置によって、タイヤにおける発熱を抑え、転がり抵抗を13%もダウン。 低燃費性能の指標であるラベリング制度において、従来よりも1ランクアップのAAを獲得。(写真& 解説図/右上:従来のポリマー、右下:新シリカ用変性ポリマー)

 

低燃費性能を誇るエナセーブのミニバン専用タイヤ、ダンロップエナセーブRV504。「長持ちする低燃費」をキャッチコピーとしているように、低燃費だけではなくロングライフ性能までも手に入れたことをトピックとしている。

 

タイヤを組み合わせたのは日産セレナ ハイウェイスター。タイヤサイズは 195/60R16 で、オプション設定、もしくはハイウェイスターGに採用される。エナセーブ RV504 は、セレナのアドバンテージである快適性と、16インチタイヤによる質感アップとスポーティな走りを高めてくれていた。