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平行輸入車に気を付けろ!~駆け込み寺としての使命感

2017.04.25
TopFlag(トップフラッグ)

平行輸入車に気を付けろ!~駆け込み寺としての使命感

 

フレームが交換されようやく復活しつつあるタコマ。ひと口にフレーム交換といっても、伴う作業はクルマ丸1台の分解と組立とほとんど同じ。車検上の手続きなどの手間も必要となり、その費用はタコマがもう1台買えるほどだという。

見た目ピカピカでも、中身ボロボロ

アベノミクス効果で為替相場は円安基調となっているが、それでもまだ円高だと言う人も多い。そしてこの円高の恩恵を受けている業界のひとつが、いわゆる平行輸入車市場だろう。ビッグ3の日本未輸入車に加え、トヨタや日産の米国モデルが従来よりも割安に買えるとあって平行輸入車の人気は上々で、新車・中古車にかかわらず多数輸入されている。しかし、こうした平行輸入車には様々なトラブルが起きる場合も多く、購入する際には注意が必要だ。そこで、米国トヨタ製SUVなど輸入4×4のメンテ&カスタマイズでも定評のある愛知県豊田市の4×4ショップ・トップフラッグの山田肇代表に、並行輸入車の注意点についてお話をうかがった。

文章/写真:宮島秀樹

 

見た目と値段にダマされるな

本誌:円高により平行輸入車が人気のようですが、トラブルも多いと聞きます。どんなトラブルがあるのでしょうか?
山田代表:まず、一番気を付けなければならないのは中古車ですね。年式の割に、なんでこんなにヒドイ状態になっているのかとあきれてしまうクルマも数多く見て来ました。
まず、走行メーターはほとんどアテにならないと言っていいでしょう。見た目もまったくアテになりません。ボディーはピカピカでも、フレームは腐食してボロボロ、なんていうクルマもあります。ひどい破損を手抜き作業で見た目だけ整えて隠蔽し、何も知らないユーザーに売りつける悪質な業者がいるのも確かです。また、そこまで悪質ではなくても、ちゃんとメンテされていなかったクルマがそのまま売られているケースも多いですね。例えば、フロント独懸のモデルはロアアームのボルトが固着している場合が多い。リフトアップなどのカスタマイズをする際にキャンバー調整ができないので、この部分の修理をしなくてはならず、結局余計なお金がかかってしまうことになります。できればそんなクルマは買わない方がいいですよね。
新車の平行輸入車はこうしたメカ的なトラブルは少ないですが、問題となるのがパーツの供給やメンテ・修理などアフターサービスです。ランプ類などの細かいパーツの取り扱いを面倒くさがる店もあり、在庫がなくいつパーツが来るか分からないとか言われてしまう場合も多いようです。平行輸入車はディーラーでサービスを受けられるクルマではないので、そういったアフターサービスまでしっかりやってもらえるかどうかも確認する必要があります。
また、クルマ本体のことではありませんが、パーツを個人輸入した際のトラブルも増えています。今やインターネットの海外サイトでもパーツが買えますが、いざ海外から商品が届いてみると、型式が合わなかったり、運賃がすごく高くついてしまったりすることが多い。海外通販に慣れていないと、交換・返品などにも不安がつきまといます。

 


中古平行輸入車のトラブル例。外観は上玉に見えるタコマだったが…。サイドメンバーの大穴が開いてボロボロになった箇所に、なんとアルミホイルを巻き、その上から薄くパテ塗りをしてブラックスプレーを吹きかけてあるだけ。杜撰な補修というより、完全に悪意のある損傷隠蔽だ。
信頼できるショップを見つける

 

本誌:ではどういことに気を付ければいいのでしょうか?
山田代表:まず、外観がきれいでも安すぎるクルマにはすぐ飛びついちゃダメです。細かいところをチェックしなくてはなりませんが、はっきり言って素人には難しいでしょう。クルマは乗り出してからもメンテや補修が必要なものだし、結局のところ、やはりアフターサービスもしっかりしてもらえる信頼できるお店を見つけることが一番です。外観のことだけでなく、エンジンや足まわりのことまでしっかり分かっていて、それらの状態をちゃんと説明してくれる店、というのがひとつの判断基準になるでしょう。
また、4×4はメカニズム的にも使い勝手的にも、普通の乗用車などとは異なる特殊なモデルと言ってもいいでしょう。だから、一般的な平行輸入車店や中古車店で4×4を購入したら、私たちのような4×4専門店に相談したりメンテを頼んだ方がいいと思います。それがオイル交換とかタイヤ交換でも構いません。その時に普通の自動車屋では気がつかないトラブルが見つかる知れませんからね。実際にフレーム交換という大修理になってしまったタコマも、車検の相談で来店していただいたことがフレームの腐食を発見するきっかけでした。
ウチみたいに大きな4×4ばかり店頭に並んでると、ちょっとマニアックで敷居が高いと感じられてしまう人も多いようですが、そういう店の方が専門的な知識もあるし、きちんと対応してくれると思います。できれば、メールや電話での問い合わせでなく、実際にお店に行ってスタッフに相談するのがいいでしょう。メカに関する内容は電話などでは伝わりづらい事が多いですし、お店に行くたびに4×4やメカに関する知識が身につくと思いますよ。
トップフラッグはある意味で駆け込み寺的な存在だと自負してますから、困ったことがあれば気軽に来て欲しいですね。それに、メカ関係だけでなく、自動車保険についてもしっかり対応しているのも強みです。特に平行輸入車は保険の条件がシビアな場合があるのですが、ウチはまったく問題がありません。また、米国トヨタ製SUVのパーツに関しては独自の供給ルートを確立してきましたから、国産・輸入にかかわらずトヨタ4×4のことで悩みや困ったことがあれば是非問い合わせてみてください。

 


米国生産の米国モデルなので部品は国内ルートでは入手不可能。よって、フレームはなんとトップフラッグが船便で自前で輸入したもの。現地に独自の供給ルートを持ち、流通ノウハウがあるからこそできることだ。パーツ番号シールが新品であることを物語る。

 


トップフラッグ代表 山田 肇さん
トヨタ車をはじめ国内外の4×4カスタマイズに実績ある頼れる4×4のプロフェッショナル。米国でパーツ供給ルートを独自に開拓するなどインポート4×4にも豊富なノウハウを持つ。