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ブレーキパッド&ローター:4年にわたるテスト結果をレポート! vol.2

2020.06.26


TEST Report 2:2016年4月
夏用タイヤに履き替え
ブレーキダストの発生量をチェック

ブレーキ交換後3,000kmを走行したところで夏用タイヤに履き替え、連休中に走行テストを兼ねてドライブへ。渋滞だらけの300kmほどの道のりを、5時間以上かけてストップ・アンド・ゴーを頻繁に繰り返した体力的にも辛い旅だったが、ブレーキの使用頻度が高かったため、ダスト発生量を検証するには丁度良かった。
 
結果から言うと、ダストの発生量は少なくブレーキの効き具合は良好だった。
走行距離に対して、ブレーキを踏む回数が多かったにもかかわらず、走行後のホイールにダストはほとんど確認できず、指でホイールを触ると埃が多少付く程度だった。これまでであれば、洗車をしなくても真っ黒に汚れたホイールだけは洗っていたのだが、慣らし運転が終わり夏用タイヤに履き替えての走行でも、ホイールを洗う必要がなくなったことには驚いた。
 
ディスクとパッドが擦れているのだから、まったくダストが出ないことはあり得ないのだが、“M type” パッドはディスクへの攻撃が少なく、かつホイールにダストが付着しづらい材質を使用しているのだろう。ちなみに、高速道路やワインディングで時折ハードなブレーキングを試みたが、純正品と比較してネガティブな要素はまったく感じられず、ドイツ車特有の剛性感あるブレーキそのものだった。少なくとも愛車とディクセル製ブレーキの組み合わせの相性は抜群で、ダストの発生量やブレーキの効き具合は、ともに高い合格点を与えられる。
 

連休の渋滞にはまったものの、久々にドライブを満喫。悪条件だったにもかかわらず、目的地に着いても、ホイールは綺麗な状態を維持していた。

 

ドライブに行く当日の朝(左)と、帰った翌日(右)のホイール。見た目では汚れを確認できない。

 

タイヤ&ホイールが汚れにくいので、洗う時はスポンジを使って軽くなでる程度でOK。
 

TEST Report 3:2016年11月
性能には大満足だが、耐久性はどうだろう!?

ディクセルのブレーキ性能を確認する上で、忘れてはならないのが耐久性だ。たとえ性能に満足できてもスポーツパッドのように早くすり減ってしまっては、コスト面でも不満が残ってしまう。
 
そこでブレーキを交換してから約1万キロ走行し、初度登録から数えて4回目の車検を機に、前回交換作業を行ってくれたディーラーに点検を依頼した。
 

ディーラーでの点検風景(左)。
フロントブレーキディスク(右):表面はスジもなく綺麗な状態。

 

フロントブレーキパッド(左):1万キロ走行で1.3mm減った。
点検明細書(右):車齢10年目を迎え色々問題が出てきたが、ブレーキに関してはノープロブレム!
 

改めて考える
なぜダスト量が少ないのか?

点検結果は良好であった。
パッド残量はフロント13.0mm(新品時はパッドの厚み14.3mm)/リア10.5mm(新品時はパッドの厚み12.2mm)で、減った数値はわずか1.7mm程度、耐久性にまったく問題はなかった。そして、ディスク表面は鏡のようにというと大げさだが、とてもキレイで、手で触る限り削れた感触はなかった。
 
ディーラーの点検作業に立ち会ってみて、ディクセル製ブレーキの耐久性に感心した。
驚いたことに、取り外したホイールの内側がほとんど汚れていなかった。1万キロ走行後なので土埃の付着はあったものの、ダストの付着はなし。正直なところ、これほどまでにホイールがキレイだとは思わなかった。
 
そもそも洗車の大敵であるブレーキダストは、ディスクとパッドの摩擦によって発生した削りカスであり、走れば走るほどダスト量が増えてホイールを汚して行く。ディスクの材質はスチール製だが、対するパッドの材質はスチールファイバーや銅、カーボンやセラミックなど、メーカーや仕様により成分が異なる。
 
パッドの削りカスは軽いためホイールに付着せず飛散するが、ディスクの削りカス(鉄粉)は重いためホイールに付着する。すなわち、ブレーキディスクが削れなければ、ダストは発生しない。また、パッドの摩擦材がディスクに被膜を作り、被膜同士が磁石のように引き付け合いながら制動するため、性格が異なるブレーキパッドに交換する場合は、ブレーキディスクも同時に交換することが望ましい。
 

車両から外したタイヤ&ホイール。1万キロを走行しても、外側はもちろん普段洗えない裏側もとてもキレイだ!
 

TEST Report 4:2020年5月
良好な結果を出したディクセル製ブレーキ
果たしてディクセル製は買いか!?

4年半(4万キロを走行)に及ぶ長期テストで、ディスクへの攻撃の少ない “M type” パッドと “PD type” ディスクの相性の良さ、そして優れた性能を十分に体感することができた。タイヤを外してみると、パッド残量は前後で約7mm!4万キロ走行で交換を要した純正品よりも、ディクセル製品の方が耐久性に優れていた。
 
もちろん個体差はあると思うが、決して純正品が劣っている訳ではない。パサート ヴァリアントの純正ブレーキはラゲッジルームに重たい荷物を載せて時速200kmを超える速度域を想定して開発されているのだが、ディクセル製の “M type” ブレーキパッドと “PD type” ブレーキディスクは最高時速100kmの日本の道を想定して開発されており、そもそも開発理念が異なっている。ヨーロッパの道に合わせた純正品を選択するか、日本の道に合わせたディクセル製品を選ぶかだ。
 
たかが消耗品と思うことなかれ。ブレーキはどれも同じではない。自分の使用途そして嗜好に合ったブレーキ選びをオススメしたい。
(レポート/浅野修司)
 

フロントブレーキ(左上、右上)、リアブレーキ(左下、右下)
装着後4万キロ超でもパッド残量は約7mmであった。

 

2007年式フォルクスワーゲン・パサート ヴァリアント
初度登録から13年目を迎えたものの、今なお元気一杯だ!
 
ディクセル
http://www.dixcel.co.jp/