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タイヤインプレ三種そろい踏み!〜後編

2017.04.26
YOKOHAMA(横浜ゴム)タイヤメーカー

ジオランダーM/T+ & A/T+ & SUV 後編


4×4&SUV専用としては初の低燃費タイヤとして、とくにミドル〜スモールクラス SUV のユーザーから大きな支持を集める「ジオランダーSUV」だが、待望のビッグクラスへの対応サイズも登場した!
ハイパフォーマンス SUV も環境に優しい走りの世界へ!

文章:高坂義信/写真:河村 大、佐久間 清人
取材協力:メルセデス・ベンツ豊洲、有明サーティファイドカーセンター

 

 

ハイパフォーマンス欧州SUVへ新サイズ~ジオランダーSUV
ハイブリッドカーやプラグインハイブリッド仕様がどんどん登場するなどなど、4×4&SUV も環境性能が重視される昨今。同時にタイヤも、低燃費性に優れ、超寿命を誇るなど、地球環境に優しい性能が求められるようになってきた。
 
そんな中、登場したのがヨコハマタイヤの環境技術「ブルーアース」を採用した、4×4&SUV 専用低燃費タイヤ「ジオランダーSUV」だ。登場して約 3 年近くが経過し、すでに多くの愛用者を数えているが、これまでの中心ターゲットは、スモール〜ミドルクラスの 4×4&SUV だった。しかし、燃費指向の高まっているマーケットだけに、ハイパフォーマンスな欧州系の SUV ユーザーからも「ジオランダーSUV」を求める声は根強い。そこで今回、登場したのが『255/55R18』という、ジオランダーSUV としては大きな、しかもプロファイルも低めの、アグレッシブなサイズだ。
 
ターゲットに据えたのは”プレミアム SUV”と呼ばれているセグメント。たとえばヨーロッパのカーメーカーがリリースするミドル〜ビッグサイズの SUV たちだ。
 
このセグメントのクルマは、SUV といってもロードゴーイングなキャラクターを持つクルマがほとんど。標準装着するタイヤも、ハイグリップなオンロードスポーツタイヤであることが多い。
 
だが、もちろんスポーティな走りを好むオーナーが多い一方、ファミリーユースで、より快適なクルージングを指向するオーナーも少なくないという。そんなユーザーにとってハイグリップタイヤは、乗り心地はコツコツするしタイヤ ノイズも大きめ、しかもグリップがいい分、減りも早い(そして価格も高め)など、ネガティブな面があるのも事実なのだ。
 
そこで、そんなユーザーに選んで欲しいのが、このニューサイズの「ジオラン ダーSUV」という訳だ。セールスポイントである低燃費性の良さはもちろん、 耐摩耗性の高さや、優れた静粛性も、すでに多くのユーザーから定評のあるところ。またタイヤ自体が「マッド&スノー(M+S)」規格を満たしていることもあり、ちょっとしたオフロードや浅い降雪時にも対処できる。つまりハイグリップタイヤよりは、SUV としての行動半径の広さをもたらしてくれる、という訳だ。
 
そんな「ジオランダーSUV」を、今回はメルセデスベンツのプレミアムSUV「ML クラス」に装着し、実力を確かめてみた。

 

プレミアムSUVに相応しい確かな走り
市街地や高速道路のクルージングは、とにかく快適だ。ハイグリップタイヤのような突っ張った印象がなく、とても滑らかに、しなやかな乗り心地を提供してくれる。ファミリーで乗るなら、圧倒的にこちらのほうが支持されるだろう。 信号状態からの発進は、逆にハイグリップタイヤよりスムース、ひと転がりの、 転がり抵抗の小ささが窺える。
 
タイヤのノイズのようなものもほとんど感じられず、逆に前面投影面積の大きい SUV だけに、風切り音のほうが気になってくる。ただ、もちろん、車内の会話も小声で済むほど。このあたりはメルセデスならではの室内遮音性の高さも あるはずだが。
 
また乗り心地の良さに加え、ハンドルの手応えがしっかり確保されているのもポイントだ。ハイグリップタイヤのような、地面に吸い付くようなトラクション感覚はないが、普通に乗ってなんら不満のない操縦性。高速道路のレーンチ ェンジもメルセデス車のボディ剛性の高さをしっかり受け止め、挙動に違和感がない。
 
さらにワインディングでも、さすがにハイグリップタイヤのような機敏な反応、リアの強い踏ん張りのようなものは望むべくもないが、そこそこのハイペースで走る実力は持っている。もちろん通常走行のレベルなら、何も問題なく乗れ る。ちなみに転がり抵抗の小さい低燃費タイヤながら、雨の日の濡れた路面でもしっかりしたグリップを提供……これは以前、他のクルマで試した際、ジオランダーSUV に持った印象。総じて、グリップ感には信頼感がある。
 
そして、ジオランダーSUV のアドバンテージといえば、オンロードだけでなく、オフロードでも安心感がある、ということだろう。ハイグリップのオンロードタイヤは、逆にちょっとしたダートなどに入り込むと、たちまち滑りやすいタイヤに変身してしまうが、ジオランダーSUV は決してそんなことはない。4×4 &SUV タイヤとして M+S 規格をしっかり満たしているがゆえ、林道やちょっとした河原でも、安心して踏み込んで行くことが出来るのだ。また都会でも、 降り始めの雪など、ハイグリップタイヤでは心配なシチュエーションにも対応してくれる。
 
ハイパフォーマンスなプレミアム SUV も、いつもいつもハイテンションな走りを強いられるとは限らない。ジオランダーSUV を装着すれば、また新しい、そのクルマの魅力が広がってくるのではないだろうか!

 

ヨコハマタイヤの低燃費タイヤ「ブルーアース」の技術を採用した 4×4&SUV 専用としては初の低燃費タイヤ。高い静粛性や雨の日の制動性、ロングライフ性も実現している。M+S 規格を得ることで林道や河原、うっすらと積もった程度の雪道での安心も提供。

 

プレミアム SUV にも対応した「255/55R18」サイズを新設定したジオランダーSUV。静粛性に優れた快適な走りと、自然にとけ込めるオールラウンド性が持ち味。耐摩耗性に優れ、長持ちしてくれるところも魅力だ。

 

ハイグリップ・オンロードスポーツタイヤのような、キレのあるハンドリングは譲るところだが、ハンドルに対する応答性や安定したグリップ感は、ワインディングでも気持ちのいい走りを提供してくれる。

 

転がり抵抗の小ささを実感するのが高速道路のクルージング。エンジン回転の上昇も抑えられ、タイヤ自体の静粛性の良さと相乗し、リラックスしたドライブが楽しめる。ドライブ後は燃費の良化も果たされているはずだ。

 

ストップ&ゴーが繰り返される市街地では、発進時の抵抗の少なさが印象的。ひと転がり目にハイグリップタイヤのような引っかかるような感じがなく、スルスルとスピードに乗っていくイメージなのだ。