logo Go back

ジオランダーSUV

2017.04.28
YOKOHAMA(横浜ゴム)タイヤメーカー

日進月歩の走りを見せるSUV専用タイヤ

2012年2月に追加された第五のモデル。それがジオランダーSUVだ。特徴をひと言で表すなら「SUV用低燃費タイヤ」。ヨコハマが乗用車で展開している「ブルーアース」のコンセプトをSUV用に応用したものだは国産大手メーカーが国内供給するタイヤとしては初の試みで、近年増え続けているクロスオーバーSUVをターゲットとしている。
 
ジオランダーはこれまで、本格四駆を開発のメインターゲットとしていた。頑丈なフレームに重たく高重心なボディ。オフロード性能は高いがオンロード性能はそれなり…。そんなクルマを相手にするが故に、タイヤにも相応のオフロード性能や耐久性が与えられた。実際、それがジオランダーシリーズの魅力だった。
 
これに対し都市型のSUVはプラットフォームも乗用車用からの流用や派生が多く、全体に軽めで低重心。脚周りも極悪路での耐性を考えたものではなく、オフロード性能よりオンロードの運動性能や快適性に主眼を置いている。
ジオランダーは従来、この両方のカテゴリーに同じタイヤを提供してきた。が、元々本格四駆向けに設計したタイヤだけに、都市型SUVの性格に必ずしもマッチしていたわけではなかったという。この辺り、変わり行く時代の狭間で、どこのメーカーも事情は同じだったのだが。
 
ここでひとつ、極端な例を挙げて見よう。仮に大径の極悪マッドタイヤを本格四駆と都市型SUVに履かせたらどうなるか? この場合、乗り心地や音、振動、操安性の面で不快度指数が明らかにアップするのは都市型SUVのほうである。
 
頑丈なフレームの上にゴムブッシュを介してボディーが載せられる本格四駆と違い、モノコックボディーにサスが直結される都市型SUVでは、路面からの振動や音の影響をシビアに受けやすい。そして車重が軽い分、バネ下重量の増加も操安性に影響しやすいのだ。
 
したがって都市型SUV用にはより静かで乗り心地良く、軽いタイヤが性に合っている。しかも彼らが得意とするオンロード性能にさらに磨きをかけつつ、オフロード性能は最低限確保しておく、そんなタイヤのほうがピッタリくる。
 
そこでヨコハマはターゲットを都市型SUVに絞り、無駄な贅肉をそぎ落とすことで、従来までの「H/T-S」より高いオンロード性能を与え、さらに「低燃費」と「静粛性」をプラスさせたニューモデルを造った。それが「ジオランダーSUV」と言うワケだ。
 
実際、従来型ジオランダーのオンロードタイヤ「H/T-S」と「SUV」を都市型SUVに履かせて比較すると、快適性に大きな改善が見られる。ロードノイズは13%、パターンノイズは21%の低減(騒音エネルギー比)、車外通過音も2.3dB小さくなり、明らかに静かになっている。
 
燃費に影響する「転がり抵抗」はなんと16%の低減。これに対しドライ制動、ウェット制動は悪くなるどころか向上し、ウェット時の操安性もアップした。さらにオンロード向けチューンとしてH/T-Sよりサイドウォールの剛性を高くした結果、レーンチェンジ時のふらつきテストでも操縦性と安定性が著しく改善された。そして、気になる耐摩耗性は長寿命で定評のあるH/T-Sとほぼ同等だという。
 
さらにオフロード性能ではM+S(マッド&スノー)にも対応。高速道路の第一次チェーン規制など、急な降雪時でもある程度の走破性を確保できるようになった。スタッドレスではないので過信は禁物だが、少なくとも、純正タイヤにはないアドバンテージなのだ。
 
ヨコハマは、このジオランダーSUVを新時代のプレミアム・コンフォートタイヤと呼んでいる。それはとりもなおさず、ジオランダーシリーズ中最もオンロード性能に優れ、最も快適であることを示している。国産コンパクトSUVはもとより、輸入SUV用としても活躍してくれるはずだ。
 

ブロックパターンだった従来シリーズと違い、今回は縦溝のリブパターンになった。トレッド面には水を逃がすために4本の縦溝があるが、そのカタチに注目。ジグザグにすることでエッジの総延長を稼ぎ、ウェット性能やスノー性能をさらに向上させている。


ブルーアースの基幹技術のひとつが「ナノブレンドゴム」。分子レベルで可能な限り化学反応を促進させ、分子をたくさん繋げたり、より多く化学反応させたりして、入れた材料に最大限の性能を発揮させるのだという。これにより、燃費性能やグリップ性能、耐摩耗性などを同時に向上させている。


実績あるH/T-Sをもとに、より四角くエネルギー損失の少ない接地面形状をつくりあげた。これにより転がり抵抗を減らすと同時に偏摩耗特性も改善されたという。


サイドウォールには「ブルーアース」の文字。これはヨコハマの環境タイヤの名称。実は、国内のSUV向けタイヤとして環境性能を謳うのは国産大手メーカー初のこと。サイズ表を見れば、コンパクトSUVやクロスオーバーSUV、輸入SUVをターゲットにしているのが明らかだ。


荒れた路面で「ゴー」と車内に響く音をよくご存じだと思う。モノコックボディーのSUVでは、路面の凹凸がノイズとなって車体に伝わる、この手のロードノイズが発生しやすい。これに対しパターンノイズとはトレッドブロックの溝の中の空気が圧縮されて放出される時に発生するもの。ジオランダーSUVではそのどちらも値が低くなっている。


グリップレベルはH/T-Sを超えている。サイドウォールの剛性強化も効果的に働いており、一般的なSUV用タイヤより姿勢変化が少ない。乗用車からSUVに乗り換えるユーザーには違和感のない味付けだろう。


開発陣によれば、ドライであればダートのグリップ性能もH/T-Sを上回るという。雨の林道へ入るような無茶をしなければ、ある程度のオフロード走行は許容してくれる。M+S対応なので、突然の降雪でもある程度は頼りになるはずだ。

ジオランダーSUVの詳細はコチラ